A la luz del candil (ランプの明かりに) 1927

作詞 Julio Navarrine (フリオ・ナバリネ)
作曲 Carlos Vicente Geroni Flores(カルロス・ビセンテ・ヘロニ・フロレス)

 お許しください…警察署長様
 こんなひどい格好(なり)で来てごめんなさい
 わたしはよそ者です ロサリオへは
 とても腹の立つものを 慎重に運んできました

 わたしをお尋ね者と思いませんでしたか
 わたしは正真正銘 正直者のガウチョです
 酔っ払いでも でまかせを云う男でもありません
 警察署長の旦那 わたしは犯罪者です

 軍曹…わたしを逮捕して鎖で縛ってください
 わたしは罪を犯しましたが 神様は許して下さるでしょう

 わたしは善良なクリオージョ アルベルト・アレナスです
 旦那…わたしを裏切ったので 奴らふたりを殺したのです
 わたしの女は 極悪で友達はろくでなしでした
 わたしがほかの村へ出かけている間に
 わたしを虚仮(こけ)にしたのです
 その恥さらしの証拠を この袋で運んできました
 わたしの女のお下げ髪と奴の心臓です

 軍曹…きつく縛らないで下さい…反抗はしません
 あなた方に わたしの真実を知って欲しいのです
 あの夜は 狼の口のように真っ暗でした
 たったひとつの証人は ランプの明かりです

 結局はそれだけことです…暗がりでのキス
 二人の身体は倒れこみ…呪わしい言葉…
 そこで…警察署長様…驚かないで下さい
 わたしは匕首(あいくち)の鞘を二つ見つけたわけです

 軍曹…わたしを逮捕して 鎖で縛ってください
 わたしは罪を犯しましたが 神様は許して下さるでしょう 

● ロサリオ:ブエノス・アイレスの北東300kmほどの地方都市。
● クリオージョ:生粋のアルゼンチン人のこと。
● 1927年7月6日、イグナシオ・コルシニがギター伴奏で録音。同20日、カルロス・ガルデルがギター伴奏で録音。テイク違いの2種類が出ている。両者いずれも一通り歌う。なお、下記のものはすべて聞いたものが、1曲を除いては一通り歌う。
● 1952年、カルロス・ディ・サルリ楽団がマリオ・ポマルで録音。ディサルリ楽団は1956年、ホルヘ・ドゥランでも録音している。なお、ドゥランは1962年、ホセ・バッソ楽団でも録音。
● 1954年、オスバルド・プグリエセ楽団がミゲル・モンテロで録音している。
● なぜか、この曲をA la luz de un candilと題したレコードが2種類手許にある。1943年、ロドルフォ・ビアジ楽団がカルロス・アクニャで録音したものと、1951年、エドムンド・リベロがギター伴奏で録音したもの。ビアジ&アクニャ盤が(1~4-4下2)と歌う。
★ その他の作品は、ここでは省略する。

A la luz del candil (ランプの明かりに) 1927」への1件のフィードバック

  1.  ご無沙汰しております。訳詞のページ再開を心待ちにしておりました。またよろしくお教えください。

     この歌は私もブログに取り上げ、「二本の鞘」を身の振り方を比喩したと解釈してみました。すなわち逃げるか自首するかの二つの収め方です。
     

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